【医科】コード化により請求時間「増えた」が約半数【情報掲示板】情報掲示板

【医科】コード化により請求時間「増えた」が約半数

レセプト「摘要」欄記載に関するアンケート実施

2021-06-29

[活 動]

 保険医協会では、6月11日から同月25日にかけて「〈医科〉レセプト「摘要」欄記載 コード化に関するアンケート」を実施。
 
 2020年10月診療分から本格運用が開始された「レセプト摘要欄記載のコード化(以下、コード化)」により、請求事務の業務時間が「増えた」と回答した医療機関は約半数に上った(回答割合24%(送信数637医療機関、返信数155医療機関)(6月21日時点での速報値))

▼方法に関わらず請求時間「増」

 「コード化により請求事務の時間がどうなったか」(一つ選択)の設問では、「増えた」(75件・48%)、「減った」(3件・2%)、「分からない」(51件・33%)、「その他」(26件・17%)との結果になった。

 また、「増えた」と回答した医療機関のうち、「コードの入力方法」の内訳は下記の通り。
①点数を入力するとコードが表示され、選択する(8件・11%)。
②コードを手入力する必要がある(22件・29%)。
③点数を選択し摘要欄にマウスでプルダウンするとコードも入力される(21件・28%)。
④点数を選択し摘要欄にマウスでプルダウンするがコードは手入力する必要がある(6件・8%)。
⑤その他(18件・24%)。

 いずれの方法であっても、請求事務の時間が増えていることが伺えるが、特に②③の方法をとっている医療機関が多いことがわかる。

▼重複入力、コメントの多さに苦慮

【医科】コード化により請求時間「増えた」が約半数

 「コード化で最も煩雑、不必要と感じる項目は何か」(複数選択可)の内訳は下記の通り。
 基本診療料(6件)、医学管理等(24件)、在宅医療(36件)、検査(29件)、画像診断(35件)、投薬(28件)、リハビリ(3件)、精神療法(3件)、処置・手術(7件)。

 また、自由記載欄では「在宅のコメントが多い」、「在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料のコメントが多い」、「部位のコメントが多い」、「処方箋に記載していることなので、湿布薬のレセプト摘要欄記載は不要」、「オンライン請求だと算定日が分かる。わざわざ入力する必要があるのか」、「レセ記載のコード化は医療事務の負担軽減とは思えない」、「働き方改革に逆行して、仕事が増加しているのは大きな問題」等の意見が寄せられた。

 実際、記載要領(別表Ⅰ)に基づいて、同月に往診料、訪問診療料、在医総管等を算定すると右図の様な「摘要」欄記載になるになる。これを見て頂くとわかると思うが、コード化されたことにより、日付情報を重複して記載しなければならない事態となっている。

▼「別表Ⅰ」確認し、負担軽減策を

 先だって、「摘要」欄記載漏れによる返戻をなくす・減らすためには、まずは「別表Ⅰ」の確認が必要だ。

 「別表Ⅰ」は、点数ごとに「記載事項」と「対応コード」、「そのコードによるレセプト表示文言」が明記されている。厚労省ホームページ(令和2年度診療報酬改定について)からダウンロードでき、記載事項を検索したい場合等に役立つ。

 ※「令和2年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について」(令和2年8月31日)で別表Ⅰは一部訂正されているので併せて確認。

 また、医療機関は各点数で記載すべき内容を把握、適切に記載し、記載しなくてよいことは極力記載しないという方法をとることで、請求事務の負担はある程度軽減できる可能性がある。

 なお当該アンケートでコード化による業務への影響を調査し、厚労大臣等に届け、次期診療報酬改定で改善が図られるよう要望・提言等を行っていく。

注)レセプト「摘要」欄記載とコード化

 「診療報酬請求書等の記載要領等」(レセプト記載のルール)で規定されている、「摘要」欄に記載すべき事項のこと。

 2018年4月診療報酬改定より前は、各医療機関がテキスト入力で行っていたが、2018年4月診療報酬改定で一部にコードが割り振られ、コードを用いて摘要欄記載が求められるようになった。
 さらに2020年4月診療報酬改定では、約1700にも及ぶコードが追加され、2020年10月診療分以降は、コードを用いて入力・請求しなければならない取扱いとされた。