〈歯科〉患者減・保険診療収入減。患者の状態悪化 等【情報掲示板】情報掲示板

〈歯科〉患者減・保険診療収入減。患者の状態悪化 等

新型コロナ感染拡大による歯科医療機関の状況アンケート

2021-05-27

[活 動]

 保険医協会は、4月20日から5月14日にかけて「歯科会員アンケート」を行った。

 同アンケートは新型コロナ感染症拡大による歯科医院経営への影響を把握し、その改善を目指すために全国保険医団体連合会が主となって行ったもので、県内では4割近くの医療機関で外来患者数「減った」との回答だった。(福島県:アンケート送信数377件。有効回答49件)

4割近くの医療機関で外来患者数「減少」

 2019年4月と比較した2021年4月の外来患者数の増減に関する設問では、「増えた」10・2%(5件)、「減った」49%(24件)、「変わらない」40・8%(20件)との結果になった。
また、2020年4月と比較した2021年4月の外来患者数の増減に関する設問に対しては、「増えた」14・3%(7件)、「減った」36・7%(18件)、「変わらない」49%(24件)となった。

保険診療収入「減った」が約半数

 2019年4月と比較した2021年4月の保険診療収入の増減に関する設問では、「増えた」10・2%(5件)、減った51%(25件)、変わらない38・8%(19件)。

 2020年4月と比較した2021年4月の保険診療収入の増減に関する設問では、「増えた」18・4%(9件)、減った38・8%(19件)、変わらない42・9%(21件)との結果になった。

患者の状態悪化も

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、患者の症状が悪化しているケースに関する設問(複数選択可)では、う蝕の進行(17件)、歯周病の悪化(27件)、義歯の脱離・不適合(16件)、抜髄(8件)、抜歯(14件)、その他(3件)となった。

 自由記載欄には「痛みが出るまで先延ばす傾向がある」「メンテナンス中断の増加」「根管治療の放置で手遅れになるケース多い」等の記載が寄せられた。

見通し立たない「2割」

 今後の経営の見直しについての設問では、「回復している」(7件)、「対策を講じ維持」(25件)との一方で、「見通し立たない」(10件)、「閉院も考えている」(6件)の回答もあった。

 「見通し立たない」、「閉院も考えている」と回答した理由(複数選択可)としては、「患者が戻ってこない」(7件)、「感染対策の経費増」(8件)、「納税が困難」(3件)、「スタッフの補充が困難」(6件)等であった。

支援金、慰労金の追加を望む声

 コロナ禍の対応として臨む方策に関する設問(複数回答可)では、「医療機関のコロナ禍による減収の補填」(9件)、「コロナ特例加算の拡充」(18件)、「家賃支援給付金の延長・拡充」(2件)、「新型コロナ感染症対策のための支援金の追加」(29件)、「医療従事者慰労金の追加」(24件)、「各種融資制度の拡充」(7件)、「政府による受診勧奨の推進」(13件)となり、支援金、慰労金を求める声が多かった。

前年同月比マイナスの月も

 この間、保団連が診療報酬支払額(対前年同月比)についてまとめた資料によれば、福島県においては2020年6月、9月、10月、11月、12月を除いて、対前年同月比で減少していることが分かる。