「保険診療減収」の医療機関、医科87%、歯科79%【情報掲示板】情報掲示板

「保険診療減収」の医療機関、医科87%、歯科79%

保険医協会 コロナ拡大が医療機関に与えている影響を調査

2020-06-30

[活 動]

「保険診療減収」の医療機関、医科87%、歯科79%

 保険医協会は、6月5日、県内の保険医に対して実施した新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関するアンケート結果を公表。アンケートは5月15日から29日にかけて会員医療機関に対して実施したもので、保険診療収入について、医科医療機関の87%、歯科医療機関の79%が「減った」と回答した。

(アンケート結果の全容はページ下部PDF参照)

(1)外来患者減が8割以上

 前年4月と今年4月の比較に関する結果では、医科の87・8%、歯科の87・1%が「外来患者数が減った」と回答。併せて、医科の40・7%、歯科の61・3%が「キャンセルが増えた」とし、医科・歯科ともに同様の傾向にある結果となった。

 一方、電話再診と訪問診療の件数については、医科と歯科で動向が異なり、「電話再診の件数が増えた」医科は54・5%、歯科は6・5%。「訪問診療の件数が減った」医科は6・5%、歯科は46・2%となった。

(2)診療日数減は医科1割、歯科3割

 休診状況等への対応については、医科の11・4%、歯科の33・9%が「診療日数・時間を減らしている」と回答。減らしている理由としては、医科が「患者さんが減った」、歯科が「感染を防ぐため」が最多となった。

(3)出勤日数・時間減の対応は医科2割、歯科3割

 スタッフの勤務・出勤等の対応については、「勤務時間短縮や出勤日の調整等を行った」「出勤日数を減らしてもらった」の回答を合わせると、医科21・6%、歯科34・8%となった。また、勤務時間・日数を減らした場合の給与支給に対する回答は、医科の3・1%、歯科の23・8%が「一部支給」と回答した。

(4)医療用マスク等、半数以上が充足せず

 医薬品、衛生材料、防護用品等の現時点での「充足」状況は以下の通りであり、半数以上の医療機関でまだまだ不足していることが伺える結果となった。

【医科】「充足」割合…医療用マスク(37・4%)、手指消毒剤(26・8%)、機材消毒剤(35・8%)、防護服(8・9%)、ゴーグル(22・8%)、フェイスシールド(18・7%)

【歯科】「充足」割合…医療用マスク(54・8%)、手指消毒剤(46・8%)、機材消毒剤(59・7%)、防護服(25・8%)、ゴーグル(54・8%)、フェイスシールド(48・4%)

(5)歯科2割が「風評被害あり」

 新型コロナウイルスに関連する風評被害の有無については、医科(16・3%)、歯科(22・2%)が「風評被害あり」と回答した。

具体例(一部)は、以下の通り。

・よくわからないが、受診者が減少している。「受診するとうつる」ということで、ワクチンなども手控える方がいる様。
・院内での麦茶の提供を不用意な対応と拒否された。以来中止しているが、夏季の水分補給に懸念。
・休業しているとの噂が出た。
・スタッフの家族から、コロナの患者さん相手の仕事の可能性を心配されて困っている。
・「歯科医師、歯科衛生士は感染リスクが高い」というのを患者が感染しやすいというように誤って解釈されている。それで来院を患者が控えているようだ。
・報道で、歯科医院の感染リスクが高い旨の話が出た刹那、キャンセルが増えた。
・キャンセル・延期の電話を受けてみて、歯科医院・治療で感染する率が高い等の報道を聞いてか、患者が自主的に受診を控えている感じがする。感染する危険性が高いのは治療する側であり、報道の在り方に問題がある。
・他の歯科医院は皆閉院しているのに、なぜお宅だけは診療しているのか?とのおしかりのTELあり。
・車のナンバーが他県の為、嫌がらせ(言葉によるものと、車にいたずら)がありました。

(6)マスコミ関係者等に周知

 保険医協会では、アンケート結果をもとに要望書を作成の上、6月5日に福島県地域医療課を訪問し手渡した。また県議4会派の議員控室に訪問し、県庁記者クラブ(16社)にも投稿を行った。

 後日、南相馬市からアンケート結果が欲しい旨の連絡があり、要望書と一緒に郵送対応している。

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