新型コロナウイルス感染症検査の「保険適用」患者にご用心【情報掲示板】情報掲示板

新型コロナウイルス感染症検査の「保険適用」患者にご用心

2021-01-26

[新型コロナ関連(医科診療所)]

 昨年12月末に福島県から「高齢者施設等の新規入所者に対するPCR検査等の実施について」が公表されたところですが、この内容を受けて「新型コロナウイルス感染症検査の保険適用の可否」についてお問い合わせがありますので、Q&A形式でご紹介します。
 なお原文は福島県高齢福祉課のホームページに掲載されています。
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21025c/kokureisyashisetsucovid19.html

【検査の保険適用患者】

Q1:「別紙1」の「2 実施方針」に「地域の感染状況や入所前の生活状況等を勘案して、医師が必要と認める場合には、症状の有無に関わらず検査を実施する」とあるが、
 ①傷病名(新型コロナウイルス感染疑い)が付かない患者に対しても、検査を実施して保険適用されるのか?
 ②新規入所者に対して一律に検査を実施してよいのか?
A1:①傷病名(新型コロナウイルス感染症疑い)が付かない患者に対して行った検査は保険適用されない。
 ②一律の検査実施は不適切であり認められない。

〈補足〉
 「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱い」が運用されている中でも保険診療の大前提である『傷病名に対して診療を行う』や『予防目的の診療は不可』、『一律の診療提供は不可』という考え方は変更されていない。
 そのため、高齢者施設等の新規入所者に限らず、医師が診察を行い『新型コロナウイルス感染疑い(COVID-19疑い)』と診断した上で『検査の実施が必要と認めた患者』についてのみ保険適用となる。
 なお、「医療機関における新型コロナウイルス感染者発生時の行政検査について」(令和2年8月7日 厚労省新型コロナウイルス感染症対策推進本部)においても「なお、医師が必要と認めた者を除き、「地域や集団、組織等に属する者」に対して一律の検査を実施する場合には、保険診療の適用外となる」と明記されている。

Q2:高齢者施設等の新規入所者に対して、医師が診察を行ったが『新型コロナウイルス感染症疑い』がつかなかった患者に対して、検査を行った場合、検査の費用等は県から支払われるのか?
A2:傷病名がつかない場合の検査の費用等については、県から支払われず、患者の自己負担になる。(1月8日、県の担当課に口頭確認)

【レセプト「摘要」欄記載】

Q3:高齢者施設等の新規入所者に対して、医師が診察を行い『新型コロナウイルス感染疑い(COVID-19疑い)』と診断した上で、検査の必要性を認め実施した場合、レセプトの「摘要」欄に記載する「検査が必要と判断した医学的 根拠」はどのように記載すればよいのか?
A3:『高齢者施設等の新規入所のため』と記載するよう審査 支払機関と調整済み。(1月19日、県の担当課に口頭確認)

【対象検査】

Q4:「別紙1」の「12 実施方針」に「新規入所者に対するPCR検査等は、無症状の場合を基本と考え下表の太枠で 囲んだ検査(PCR検査、抗原定量検査)とする」とあるが、診察の結果、有症状者であった場合は抗原定性検査を実施してもよいのか?
A4:よいと考える。有症状者であれば、他の発熱患者等と同様に抗原定性検査の実施が認められるので、保険適用になると解される。