事務局 小川の勝手にコラム~歯科医院に思うこと~(第5回/全12回)【情報掲示板】情報掲示板

事務局 小川の勝手にコラム~歯科医院に思うこと~(第5回/全12回)

【第5回】予約時間にルーズな方への対応

2021-09-08

[コラム]

1.時間的感覚はそれぞれ

 先般、本コラムで歯科医院は予約診療であるため、ユニットの稼働率向上が経営のポイントであると書きました。

 しかしながら、医院側がどんなに予約時間をタイトに設定しても、すべては患者さん次第。時間に余裕をもって来院する方、予約時間を過ぎているのに気にせず来院する方など、時間的感覚は人それぞれです。

 また、予約キャンセルの連絡をくれる方・くれない方の差も医院にとっては顕著な問題と言えます。

2.時間にルーズな方ほど気づかない

 キャンセル連絡は早ければ早いほど、当日の予約調整がしやすくなるため、医院にとってありがたいもの。しかし、予約時間を大幅に過ぎてからの来院や無断キャンセルが1件でもあると、予約時間通りに来院した患者さんを待たせることになったり、その時間だけ、まるまるユニットが空いてしまうなど、経営を圧迫する事態に…。

 「なるべくこのような方は来て欲しくない!」と経営者なら誰もが思うところですが、残念ながら時間にルーズな方ほど、そのことに気づいてくれません。そこで日常的な対応として、予約診療に関する意識づけが必須となります。

3.ルール説明と徹底した対応

 その方法は大きく分けて2つです。

 1つ目は「予約ルールの周知徹底」です。予約時間の厳守はもちろん、キャンセルする際は、できるだけ早く連絡すること。また無断キャンセルをした場合、その後は予約診療をお断りする場合があることなど、少し厳しめにルールを設けます。

 さらにその内容は、会計時に受付の方が口頭や文書で説明。窓口に大きく掲示すると共に、診察券やホームページに記載するのもよいと思います。

 これは基本的に患者さん全員に行いますが、時間管理が怪しい患者さんには特に念入りに説明します。

 2つ目は、ルールを守れない方には徹底した警告を行い、予約時間を「午前・午後の診療時間の最後」にします。こうすることで予約時間を過ぎてからの来院や無断キャンセルがあっても、その影響を最小限に留めることができます。

 なお、“時間にルーズ”という理由だけでは、『応召義務における、診療拒否の正当な事由』には該当しないと考えられますので、ご注意ください。

 また無断キャンセルした方には、後日電話等で連絡し、「なぜ事前連絡ができなかったのか?」を確認し、前述した予約ルールを説明。その後、ルール厳守を約束した上で、かつ受診継続の意思があれば、次回予約を受け付けます。

 このような対応をすると、医院を離れてしまう患者さんも一定数いますが、そのままなし崩し的に診療を続けたときの心理的ストレスや機会的損失を考えると、果たしてどちらが良いのでしょうか?ぜひ一度、検討されることをお勧めします。

※本コラムは、福島県保険医協会事務局に入局し、歯科担当歴20年を越えた事務局(小川)が、自由気ままに勝手に意見するコラムです。あくまで小川の経験的な視点で書き綴ったものですので、予めご留意頂ければ幸いです