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事務局 小川の勝手にコラム~歯科医院に思うこと~(全12回)

【第4回】補綴物セットのタイミング

2021-08-03

[コラム]

算定のタイミング

 皆様は、総義歯や補綴物を新製した際、セットするタイミングは考慮しているでしょうか?「当たり前だろ!言われなくたって考えてるよ!」という声がたくさん聞こえてきそうですが...。

 もしかしたら、先生がイメージしているのは、医学的なものではありませんか? 医学的根拠がなければ、そもそも診療自体成り立ちませんから、それは当然だと思います。
私が今回お話しするのは、その根拠を満たした上での「売上のあげ方」、つまり「算定のタイミング」です。

平均点数が上がると・・・

 多くの歯科医院では、義歯や補綴物を新製した場合、セット時に算定すると思います。

 ご存知の通り、義歯や補綴物は高額なものが多いため、セットする患者さんが多い月は請求総額が高額になり、おのずと平均点数も高くなります。

 さて、平均点数が高くなると、何が待っているでしょうか?

 そうですね。高点数による集団的個別指導(※)に選定される可能性が高くなります。

※集団的個別指導
 レセプト1件あたりの平均点数が、県内の歯科医療機関の平均点数の1.2倍を超え、かつ総数の上位8%に該当した医療機関が選定される(前年度及び前々年度に集団的個別指導又は個別指導を受けた医療機関は除く)

 ちなみに昨年2020年度の例では、福島県の平均点は1179点。その1.2倍(1414点)を上回る上位8%(72件)が選定対象となっています。

 当たり前ですが、診療した分はきちんと請求すべきです。むしろ平均点数を低く抑えるために請求しないという方がナンセンスです。

 とはいえ、できることなら指導には当たりなくないもの…。そこで、上手に請求するタイミング調整が必要になるわけです。

(※新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、高点数を選定基準とする集団的個別指導・個別指導は令和5年度実施分まで実施されません)

セット月を調整する

 「調整って、そんなことできるの?」

 できます!義歯や補綴物のセットする月を調整する!これだけです。つまり、セット予定の患者さんを予め把握し、そのタイミングを月ごとに配分し直すことで、平均点をならすことができます。

 ただし、この方法は一定患者さんの数が必要です。なぜなら、あえて翌月にセットを繰り越すわけですから、診療報酬の支払いは診療月の2カ月後。これに対し、技工物の請求・支払いのタイミングは、これより早くなる可能性があるからです。いくら平均点数を抑えるためでも、運用資金がショートしてしまっては元も子もありません。

 また外科を行う医療機関であれば、外科処置も高額になることが多いため、同様に考慮する必要があります。とはいえ、外科処置の調整は難しいので、医学的タイミングが最優先であることは言うまでもありません。

※本コラムは、福島県保険医協会事務局に入局し、歯科担当歴20年を越えた事務局(小川)が、自由気ままに勝手に意見するコラムです。あくまで小川の経験的な視点で書き綴ったものですので、予めご留意頂ければ幸いです。