福島県保険医協会トップページ >情報掲示板 >コラム >事務局 小川の勝手にコラム~歯科医院に思うこと~(第3回/全12回)
【第3回】予約の入れ方で売り上げが変わる
2021-06-30
[コラム]
多くの医院では、ユニットごとに20~30分間隔で予約名簿を埋めています。例えば、20分間隔であれば、1ユニット当たり1時間で3人。ユニット数が3台ならば、その医院の1時間当たりの最大予約人数は9人となります。
とはいえ、治療内容や症状は患者さんごとに異なるため、診療にかかる所要時間もそれぞれ違います。
つまり、それら様々な状況の患者さんをユニットに座らせ、隙間なくかつ効率よく回転させることこそが、歯科医院のビジネスモデルの最大の肝。そのために歯科医師とスタッフが一丸となって施策を講じ、日々立ち回っているわけです。
しかし、この医院側の涙ぐましい努力とは裏腹に、どの医院に伺っても、全てのユニットに隙間なく患者さんが座っていることはまずありません。むしろ1日の患者数は減少し、患者都合のキャンセルなど、様々な要因から、ユニットの回転に大きな"空白"が生まれます。
医院側としては、売り上げ減少につながるこの"空白"を何とか防ぎたいところですが、その要因が相手次第であることも多く、解決は容易ではありません。しかし、医院側が唯一コントロールできることがあります。
その答えは、診療報酬の算定要件を熟知すること。特に管理料は、診療の都度算定できるものから、回数制限(月に数回など)があるものまで様々です。ここで知識がある人ならばピンときましたよね!
「次回予約は、管理料の算定要件を意識して提案する」たったこれだけです。
金額は微々たるものですが、このような患者さんが月に30人いれば年間で360人。売り上げにして実に約36万円(歯管の場合)となります。
「売上=単価×回数×人数」は周知の方程式。回数・人数は相手次第ですが、単価は医院側の工夫次第。そのタイミングや条件を意識するだけで、同じ診療内容・診療時間でも、単価が異なります。もちろん、医学的根拠を元にした診療内容であることは言うまでもありません。
ぜひこの機会に、算定要件を学習し直し、予約の提案方法を検討してみてはいかがでしょうか?
※本コラムは、福島県保険医協会事務局に入局し、歯科担当歴20年を越えた事務局(小川)が、自由気ままに勝手に意見するコラムです。あくまで小川の経験的な視点で書き綴ったものですので、予めご留意頂ければ幸いです。