福島県保険医協会トップページ >情報掲示板 >コラム >事務局 小川の勝手にコラム~歯科医院に思うこと~(第1回/全12回)
【第1回】院内掲示物にひと工夫
2021-04-30
[コラム]
おかげさまで、これまで多くの歯科医院に伺い、また多くの先生にお会いする機会を頂きました。そこでその様々な出会いや経験から「これはナイスだな!」「これはNGかな?」と小川が思った点を、毎回、トピック的に勝手に紹介させて頂くことにしました。
多くの歯科医院では、様々な情報を患者さんにお知らせする「掲示物」が待合室内の壁に並んでいます。とはいえ、最近、若い先生方を中心に掲示をほぼせず、すっきり感を演出しているところも増えてきました。
しかし医院によっては、様々な掲示物を壁の隙間を埋めるように貼ってあるところもあります。
情報を掲示する目的は、本来、主張すべき点(伝えたい点)があるため、そこに掲示してと思うのですが、実際、それが達成されているかが疑問に思う医院もあります。
そこで、今回は院内掲示の必要性と掲示のしかたを考えてみます。
掲示物を大きくわけるとこんな感じでしょうか?
ここで質問です。医院側が患者さんに今、一番伝えたい・知って欲しい情報はどれなのでしょうか?
ア.法的観点から院内掲示が義務とされているもの (医療法・健康保険法・個人情報保護法など)
イ.疾病や臨床アナウンス(歯周病とは?インプラントとは?などの解説)
ウ.当院ではこういう治療をしています(レーザー等の機械、CAD/CAMなどの案内)
エ.休診日・自費価格の案内
オ.学会や専門医の認定証
カ.コロナ関連(マスク着用呼びかけ・3密・発熱案内など)
キ.その他(カレンダー・携帯禁止・絵・写真など)
こう言っては、大変失礼かもしれませんが、掲示物で一番目を引くのが、実はメーカーが作ったであろう「ウ」のフルカラーの特大ポスターであることが多いようです。
次に「イ」の臨床アナウンス。
医院側が患者さんに一番知らせたいであろう「エ」の休診日や自費の価格などは、A4サイズの用紙に小さな字で印字してあることが多く、目の前まで近寄らないと何を書いてあるのかさえ不明な場合が多いようです。
①今一番お知らせしたい旬な情報(エ、カ)
待合室内にホワイトボードやコルクボードを用意し、患者さんには受診すつたびに常にここを確認してもらうよう促す。節分やクリスマス等は季節感を演出すると目を引きやすいかもしれない。
②できれば知って欲しい情報(イ、ウ)
掲示する情報を数点にしぼり、月もしくは季節ごとに掲示内容を変更する。
③法的に通年掲示が義務付けられている情報(ア)
長期間、同じ内容の事が多いため、ボロボロのものを見かける。
ラミネート加工し、受付内の少し目立つところに掲示したい。
これらの掲示物は4隅がきれいに押さえられており、傾きや剥がれがないことは言うまでもありません。
最近は、コロナ関連の情報も多いため、情報の取捨選択は難しいと思いますが、患者さんの待ち時間を緩和し、ゆったりとした空間を演出できるよう、ぜひ掲示物をひと工夫してみてはどうでしょうか?
※本コラムは、福島県保険医協会事務局に入局し、歯科担当歴20年を越えた事務局(小川)が、自由気ままに勝手に意見するコラムです。あくまで小川の経験的な視点で書き綴ったものですので、予めご留意頂ければ幸いです。