福島県保険医協会トップページ >情報掲示板 >コラム >私とCOVID-19
2021-04-09
[コラム]
思い返すと私は大きな感染症にはかかっていなかったと思う。むしろアレルギーとの関係が深かった。小学生時代には大学病院でアンプルを貰って毎週のように近くの診療所で注射を受けた。恐らく減感作療法だったと思う。感染症もかかっていたことを思い出した。10年以上前に側溝をまたぎ損ねて転倒し、脛の傷の水洗いを怠ったために、しばらく蜂窩織炎に悩まされたことがあった。我ながら下手くそな前置きになった。
そしてまだ感染してはいないものの現在COVID-19に悩まされている。エタノールと次亜塩素水を湯水のように使い院内消毒に精を出している。しかし恐怖は迫っている。一度感染しても免疫は獲得されないらしい、しかも次々と変異するらしい。未だに治療薬もない。しかもHIVと違いかなり身近にいる感覚。何とか感染せずに済ませたい。感染症治療の最前線からは距離のあるところにいるのんきな開業医の実感である。
ゼロリスクはないことは頭ではわかっていても、情報が増えるほどに感染せずに済ませたくなる。当院では患者様が感染するリスクを下げるために日々腐心している。必要最低限の制限で、最大の安全を得るためにはどうしたらよいか、かつ同じ患者様への差別にならないためにはどうしたらよいかとも悩んでいる。最近はもっぱらワクチンが光明になることを祈っている。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
廣山 祐治/ひろやまメンタルクリニック(福島市)