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2020-12-09
[コラム]
「原発さえなければ!」故郷を追われた浜通りの人々ばかりでなく福島県民の多くがつくづく思い知らされた。東日本大震災は地震と津波に伴う原発事故の甚大な被害だった。9月30日仙台高裁での生業訴訟判決では防げなかった東電と政府の責任が明確に示された。
さて、その数日前双葉町に完成した「東日本大震災・原子力災害伝承館」は地震と津波からの復興は良く表現されていた。そして「かたりべ」による苦労話しは30分が経過して終了。あれ!いまだに続く原発事故の被害からの苦労話しは?
後日の新聞記事によると20数人の「かたりべ」たちには特定の個人・団体を非難しないようとのマニュアルがあり東京電力に対してもとのこと。「原子力明るい未来のエネルギー」の16メートルにおよぶ看板は3.7メートルの映像となっていた。関係者からは実物の展示を望まれていたが印象はかなり薄くなった。
天災としての大震災を人類は幾度となく乗り越えてきたが人災の原発事故は二度と経験してはならないものとして伝承すべきである。5年ごとに予定されている大規模リニューアルでは「明るい未来」ではなかった負の遺産として実物の看板を掲げることを再考すべきと思う。
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(M)