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コロナを見極め、よりよい医療を目指して

2020-10-26

[コラム]

コロナを見極め、よりよい医療を目指して

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がりをみせる中、日常の診療においてCOVID-19にまつわる悔しい思いがあります。

 発熱と息苦しさを伴い、接触歴や行動歴からCOVID-19感染者ではないと思われる患者さんを前にして、迅速且つ適切な医療を行えないことです。

 診療所内での感染は多くの人への診療を困難にし、職員・職員家族の健康をも損なう懸念もあり防御的医療となります。

 安全な診療にはCOVID-19の有無が重要です。PCR検査を目的に保健所を通して指定医療機関を紹介させて頂いたのですが、感染の可能性は低いと判断され、検査もされず解熱剤のみの処方で帰宅となりました。翌日来院された時には病状はさらに悪化し、次の日には入院加療となり大変申し訳ない結果となりました。

 これを機に、迅速性のあるCOVID-19抗原検査を独自に実施し、早期に適切な医療判断が可能になると考え準備を進めています。

 診療所内には空きスペースがなく、職員更衣室を移動し材木やビニールシート等を運び、手作りの臨時診療スペースを作っています。

 周囲への感染機会を減らすため、入り口は一般患者とは別にし医療者とシートで完全に分離し診察検査を行えるようにしています。換気装置も備え必要と判断した場合はまず抗原検査を実施し、陰性ならすぐに次の検査・治療に結び付けることができます。状況に応じて自家用車での検査も行います。

 今後は、自分たちの判断で適正な医療が行え、悔しさを糧として患者さんにもより良い医療が提供できるのではないかと期待を持っています。
 
 皆さんも多くの苦労があるとは思いますが、共に頑張りましょう。

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岡内 章/会津医療生協 きたかた診療所(喜多方市)