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Fax-loving Japan

2020-06-30

[コラム]

Fax-loving Japan

 直訳すると「FAX大好きな日本」になるそうで、新型コロナウイルスが日本で流行し始めた当初「日本ではコロナ感染者数を報告する際にFAXが用いられている」旨を海外メディアが報じた際の言葉だそうである。日本の体質を報じたものであり、日本人の多くがFAXが大好きかどうか不明である。

 一方、個人的にFAXは、業務上重要だと実感している(理由は以下①~③)。

 ①医療機関に案内を送った際、FAXとDM便では、FAXの方が見てもらえる、②電話、FAX、電子メールの3つの方法で質問を受けているが、電子メールでの問い合わせは一番少ない、③文字の方が齟齬なく伝わるので有効であるが、電子メールよりFAXでの問い合わせが多い。

 さらに「②③の背景には、医療事務の多くが業務上、インターネットを使えない(にくい)環境にあるのではないか」と感じることがある。

 今日日、保険診療に関して分からないことを調べる手段として、書籍に加えてインターネットを上手に活用すれば、とても有効であるし、自分で答えを見つけることで医療事務として成長できる等と思うところはある。しかし問い合わせ者(医療事務の方が多い)と話していると「院長室にしか調べられるPCがない」や「自宅のPCで調べる、印刷する」との声を聞くことがある。

 医療事務用として(レセプト請求とは別の)、検索用PCを用意している医療機関もあるようで、そこの医療事務の方に対しては「持っている知識が違うな」等との印象を受けることがある。

 ちなみに「スマホで検索する」との声も聞くが、薬剤の添付文書等のPDFデータは見にくいので大変である。

 医療機関の業務上のインターネット環境を変えなければ、脱「FAX大好き」は実現しないのかもしれない。

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(福田 進之介(保険医協会事務局))