「新型コロナウイルス」はすでに同定・分離され少しずつその姿が解明されつつある。RNAウイルスの中で３万個の塩基と最大、アルコールで不活化される。2002年のSARSウイルスとともにアンジオテンシン変換酵素Ⅱをレセプターとして感染しSARS-CoV-Ⅱと呼ばれる。２万8144番目の塩基の違いによりセリン（Ｓ型）とロイシン（Ｌ型）に分かれ病原性や広がりに差がある。

　気道上皮細胞での増殖はインフルエンザの約100分の１程度と推測、湿気が多い空間・密室では感染性を保持しやすい。プロ野球選手の経験で有名になった味覚・嗅覚異常は３分の２ほどにみられるとの報告はあるがこれは風邪やインフルエンザなどでもしばしばみられる。８割では無症状又は軽い風邪症状ながら潜伏期でも感染性を有するのが厄介なところ。

　簡便な検出法や治療薬の開発が期待される。抗体検査やワクチンにより「謎の新型肺炎」と恐れる必要がなくなることを願いたい。一方で医師・看護師不足やベッド削減等、これまでの日本政府の政策をあらためなければならない。指定病院・協力病院・一般医療機関それぞれの医療体制の構築とともに私たち一人ひとりも手洗いをはじめ標準的な予防策を励行したい。　

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（Ｍ）