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"未来から選ばれる医院"になるための第一歩 【第23回】

医療代理

2020-02-25

[コラム]

(1)契約行為に必要な能力

 契約行為を行う場合、お互いの「個人の意思」を尊重するため、「自己決定・責任」能力が必須となります。
 このとき最も重要なことは、物事を理解し、判断できる能力(事理弁識能力)です。
 「認知症」等の症状が進行した場合、この能力が低下・消失していることが多いため、発症後の契約が法的に無効になる根拠はここにあります。

(2)診療契約の法的性質

 では、「診療契約」はどうでしょうか?
 医療面において、医療提供側と患者側には圧倒的な知識の差があります。この場合も前述の通り、お互いの「自己決定・責任」能力が必須となります。
 ここでさらに重要になるのが、患者自身の今後を決定するための治療やリスクの正しい判断材料の認識と理解。
 インフォームド・コンセント(ⅠC)は、医療業界では一般的に「説明と同意」と訳されていますが、法的な解釈では、より細分化され「説明」→「理解」→「決定」→「責任」の順になります。
 つまり、患者側は治療方針を決定するにあたり、十分な理解がなければ、責任まで行き着きません。
 また、診療契約の締結やICの実施は、法的には原則、家族の意向は関係なく、本人だけしか行えないことになっています。
 ということは、「認知症」を発症した患者に対し、医療提供側がどんなに詳しく説明しても、患者本人の「理解」が不十分であれば、法的にICが成立したとは言えません。
 つまり、患者の意思能力が低下している場合、単独では診療契約が成立しないということになります。

(3)医療代理の方法

 そこで登場したのが、「医療代理」という考え方です。
 これは、心身共に元気で自己決定ができるうちに「医療事項の代理人」を選定しておこうというもの。
 つまり、「自分が意思能力を失ったとき、その後の医療行為の選択を誰に判断してもらいたいか?を前もって自分で決めておくこと」です。
 これは、血縁・相続は関係なく、本人が選定し、代理人本人の同意があれば成立します。
 ポイントは、本人が明確な意思判断ができるうちに代理人を選定。合わせて意思表示を第三者にもわかるよう、文書で残しておくことです。
 ただし、代理人とはいえ、本人の意思に明確に反することはできず、また既に本人に意思能力がなくなっているときは、選定できません。
 もし医療代理について詳しく知りたいと思われた方、ぜひ保険医協会のわくメディ研修を受講してみてください。


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(事務局/小川)