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"未来から選ばれる医院"になるための第一歩 【第22回】

医療費未払い対策

2020-01-25

[コラム]

(1)医療費未払いとは?

 近年、医療費の窓口負担未払いは、日本国内において数百億円にのぼると報道されています。
 その主な要因は、生活困窮者・患者の自己負担額、モンスターペイシェントなどの増加、インバウンド政策に伴う訪日外国人が影響していると言われています。
 しかし、患者一人当たりの未収金が数千円から数万円と些少のため、回収を躊躇する医療機関も多いようです。

(2)対応策を検討しておく

 患者が医療を受ける場合、法律上、医療機関と患者の間に双務契約が成立します。
 これは、医療提供側が患者に対し良質かつ適切な医療を提供する義務が発生し、患者側にも医療の提供を受ける対価として、医療費を支払う義務が生じるというものです。
 しかし、ここで頭を悩ませるのが応召義務の存在です。
「患者から診療の求めがあった場合、正当な事由がなければこれを拒めず、治療費を払わない可能性、もしくは支払う能力がないことを理由に、即診療を拒むことはできない」とされている点です。
 しかし、医療機関にとって、未収金は個々の金額はわずかでも、積み重なれば、経営を圧迫しかねません。そのため、日常的な予防と、発生した場合の対応策を事前に検討しておくことが重要です。

(3)未収になった場合の主な対応

 主に以下4つの対応策があります。
①「後日、来院時に支払います」との確約を文書でとる
②電話での督促
③内容証明付き郵便の作成・送付
④訪問による督促など。
「いつまで支払ってください」という期日管理も重要ですが、分割払いで、来院時に少しずつ支払って頂き、できるだけ全額に近い金額を回収できるよう説明の仕方も工夫しましょう。
 また、医療費債権は3年間行使しないと時効になります。(民法第170条1号)
内容証明付き郵便を出し続けることで時効を伸ばすことはできますが、最終的な手段として下記の法的措置もあり得ます。

支払い督促・・・簡易裁判所の手続きのみで、債権者の申し立てにより、裁判所から金銭の支払いを命じる督促状を出してもらうもの。書類審査だけの簡単な手続きで、手数料は通常訴訟の2分の1。裁判所からの支払い命令ということで心理的圧力になります。

民事調停・・・調停委員会が当事者間の言い分を聞き、実情に即した解決を図るもの。お互いが自由に言い分を述べることができるので、患者側の言い分を引き出す機会になります。

少額訴訟・・・60万円以下の請求の訴えを簡易裁判所に申し立てるもの。原則、即日判決で手続きが簡単かつ低コストです。

民事訴訟・・・協議中に和解する場合もありますが、判決書・和解調停書に基づき、強制執行の申し立てが可能です。

 詳しくは、当会の「三大防衛策」を受講してみてください。


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(事務局/小川)