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ロシアに思う

2019-09-25

[コラム]

ロシアに思う

 皆さんも、『ロシア』と聞くと、抱く感情は正直ちょっと複雑ではないだろうか?私は1951年生まれであるから、満州引き揚げ者が近所にいて、子供の頃聴いたソ連侵攻の話は強烈で、むごたらしい。満州での民間人犠牲者数が、東京大空襲、広島原爆投下、沖縄戦より多いことも知っている。公衆の面前での暴行・強姦・強奪、特に女子供への複数の凌辱は、子供ながらにおぞましく、舌を噛んでの自決、妊娠、性病という結果は、理解したとは言い難かった。しかし、子供でも、一生心の内に秘めておく、隠したい過去があるのを理解した瞬間だった。

 一方、私の父を始め父方の親戚は革新的で親露家であった。明治生まれの、父の叔母はロシア語の翻訳家で「ソ連では女医が当たり前」と私に医学の道を勧めてくれたが、時代を考えればかなり進歩的で異端だったであろう。

 いずれも、前の東京オリンピックより昔の話である。そして今、北方四島の問題がある。寂れ行く北海道のJRや釧路の衰退を見ると、現政権が北方四島を漁業権以外、大切にするとも思えないし、日本の若者が居住することもまた考え難い。

 複雑な思いを深く長く心に凍結したまま、今年のGWにロシアに発った。しかし、実際サンクトペテルブルクに着いた私は、ピョートル大帝の夏の宮殿の仕掛けに驚愕し、エカテリーナ宮殿に度肝を抜き、ルミタージュ美術館に魅了されつくした、ただのミーハーな観光客の姿を露呈しただけだった。


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(佐藤 睦子(清明クリニック)/福島市)